生活と思想

今君に素晴らしい世界が見えますか

じんせいってさいあく

 

10代の頃難しくなかったこと、例えば夜通しアニメを見るとかマンガを読むとか。小説を読むとかゲームをするとか。どれほどそれらに時間をかけたか分からないほど夢中になれたし、確実にわたしを作り上げてくれたと思う。

でもどんどん大人になっていくにつれて、全部全部難しくなってしまった。いまのわたしには宿題も定期テストもなくて、家にいる間家事の隙間にやろうと思えばそこそこ時間はあるはずだし、夜更かしをしても怒る人だって居ないのに。今でもそれらを楽しいと感じる感覚は残っていて、嫌いになったわけではない。

好きだったものへの情熱を失ったり、好きだったジャンルの新しいものを手に取ることが億劫になること、それは悪では無いし、わたしの生活や心の持ち方の変化に伴う現象なのだと頭でわかっていても、変わらずに楽しむことができる人と自分を比較すると落ち込む。わたしだってこうなりたくてなったわけではない、と言いたいです。

時々マンガを読むと楽しいのは本当で、今でも買うものはある。でも話題になっているものを全部確認するのは無理なのだ。それだけの体力がわたしにはない。大人になるということは、全員がそうでないにしても、仕事をして帰ったら家事が待っていて、それを終えたら気持ちよくお風呂に入って、少しYouTubeとかを見たら寝る時間で。わたしは相変わらず生きているだけで毎日疲れてしまっていて、現実のことを考えるだけで精一杯だよ。わたしは今、漫画もアニメも夢中になれなくなったけど、現実の中でも美味しいご飯を作ること、可愛い食器を少しずつ集めること、色んな場所を散歩すること、BTSを見ること(これだけは現実とは違って特に癒される)、それだけでこのつまらなくて最悪の人生が救われている。

新しいことを始めたり、好きだったものを継続できる体力が無くても、自分なりに好きなものがちゃんとあって生きている。これだけで実は100点なんじゃないですか?みんな。好きな物や趣味にくだらないものなんて、無駄なものなんて、そんなものないです。

本当はいつだって死んでしまいたいって今年も思ってるよ。大人になってからたくさん泣いてる。貯金もないし仕事はいつでも辞めたいし恋人のことも不安なことばっかりだよ。この先の事考えるだけで胃が痛くなる。はやくおわりてーって思ってる。

だけど一応おとなになって良かったよ、わたしは自分が料理できるって知らなかったし、東京に住めるなんて思ってなかったし、BTSの良さを知る日が来るなんて!これが1番びっくりだ。今の自分の好きな物が無価値だとは思いたくないな。願わくば死ぬ前にジミンちゃんに会いたい…。

わたしだって出来ることなら好きだったもの全部続けたいですよ。そのうえで今好きな物も好きでありたいですよ。でも無理だったからこうなったということを、誰もわかってくれなくてもわたしだけは慰めてあげましょう。

なんだか好きな物とか趣味があんまりないって言ってる人の気持ち、分かるようになってきた今だからこそこういう話題って悲しくなる。だってみんなそうでしょ、そうなりたいわけではない。言われたくないよね、そんなの損してるとか、出来ないんだねとか、ほっといてよね。やりたくなる日が来たらやるわよ。人生の自由な時間をどう使うかなんて人の勝手じゃないの!ってね…。わざわざ腰が重いことや興味のないことを頑張る必要ないよ。わたしなんて本当はさ、料理することより何より、一番好きなのは海を見てることだよ。だめですかって泣きたくなるわ。

芸術の欠けらも無い人生ですみませんね。でも誰にも迷惑かけてないつもりだから。そっとしておいてください。

では。