明日が来なければいいのに

今君に素晴らしい世界が見えますか

名前のつかない気持ちをどれだけ あなたも見つけたことでしょう

 

人を好きになるのは最初に話した日から決まってしまうのだと思う。

20歳の夏にわたしたちは出会った。初めて話した時からすごく楽しかった。毎日飽きもせずにたくさん話した。その日にあった些細なこと、好きな食べ物から好きな場所のこと、わたしたちが出会う前のこと、将来のこと、お互いの好きなところ。言葉が途切れることを知らないとでもいうように、わたしたちはたくさんの言葉を声に乗せた。

もしも、その人と交わせる言葉の数に決まりがあるのだとしたら。きっと20歳から21歳になるまでの間にほぼ使い切ってしまったのだと思う。

「社会人になったら一緒に暮らそうね」

わたしは社会人になって2年目になってしまったのに、その約束は果たされることを知らない。

彼の23歳の誕生日にもう一度だけ話したいと神様にお願いをした。声を聞くことは出来なかったけれど、簡単な文字のやりとりができた。

わたしたちは7月生まれ。

7月が終わってわたしは怖くなったので、返事をするのをやめた。わたしたちに残された言葉の数は、もう、ないと思う。たぶん。

悲しいよ、君の誕生日を早く忘れたい。